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宮澤崇史「生と死」

宮澤崇史「生と死」

2001年9月10日。あの日、生体肝移植手術を受けてから今日で17年。最近、あの頃の事を少し思い出すようになりました。基本的に僕の頭は嫌な思い出は消えていくようにできているので、あの頃の記憶も当然消えてなくなると思っていましたが、逆に思い出すこともあるんだなと。長期休職中の母、大学生の姉、プータローの僕。家庭に働き手が一人もいない状態で、先の見えない日々を過ごしていました。それでもお金を節約しなければならない日々を苦労と感じることがなかったのは、母のお陰だったんだなと改めて思い出す。手術前の説明でドナーの命も100%安全ではないと聞き、万が一を考えて「最後に食べたいものを食べておこう」と、ジェラテリアで1リットルのジェラートを食べたことだけは鮮明に覚えています。なぜなら、ジェラートを食べ終えた時にふと「これで最後でもいいかな」と思えたし、もしかしたら最期の瞬間に欲しいものなんて大して...

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