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筆とまなざし #109「アトリエ小屋の周りに転がる秋の味覚、むかご料理」

筆とまなざし #109「アトリエ小屋の周りに転がる秋の味覚、むかご料理」

「あんたの小屋に行く途中にもあるわよ」母親にそういわれたのは「むかご」のこと。自然薯の蔓にできる小さな自然薯。コロコロとした小さな粒は、それだけでも自分が自然薯であることをしっかりと主張するくらい濃い味がします。ご飯といっしょに炊いたむかごご飯は絶品。もう何年も食べていませんが、はて、アトリエ小屋の近くにもあるとは? まったく気にかけていなかったので見落とすどころか気づいてもいませんでした。子どものころ、年末になると実家の周りの山で父と自然薯掘りをしました。葉っぱのある秋のうちに蔓を探して根元に目印を付け、葉を落とした年末に掘るのです。正月に自然薯のとろろご飯を食べるのが成瀬家の楽しみなのですが、自然薯はそう滅多にあるものでもなく掘るのも大変。見つけたとしてもイノシシとの戦いに勝たないと自然薯にはありつけません。小屋に行く途中、細長いハート形をした、黄色に染まった葉っぱを目印に探すと...

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