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筆とまなざし#142「一枚の写真から。“小槍”を目指す、お盆休みの旅」

筆とまなざし#142「一枚の写真から。“小槍”を目指す、お盆休みの旅」

お盆は数年ぶりに槍ヶ岳へ行ってきました。ここ数年、お盆やシルバーウィークの槍ヶ岳は非常に混むらしく、頂上へ行くのに2時間待ちとか。そんな時期なのに槍ヶ岳を選んだのは小槍に登りたかったからで、小槍から西稜を登って頂上へ向かえば渋滞も回避できるだろうと考えたからです。ちなみに小槍とは槍ヶ岳本峰(大槍)の西側にある岩塔のことで、あの「アルペン踊り」に出てくる「コヤリ」です。その小槍に登りたいと思ったのは、一枚の写真がきっかけでした。山を特集した雑誌の表紙に使われていたモノクロの写真。特徴的な岩塔とその壁に這いつくばる3人のクライマーが写し出されていました。記憶が確かなら、彼らは腰に「綱」といったほうがしっくりくるような麻のロープをくくりつけ、ねじり鉢巻をした出で立ち。その写真が妙にカッコよく印象に残っていたのです。撮影したのが槍ヶ岳山荘の創業者、穂苅三寿雄だということはその少しあとになって...

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