Web header banner

筆とまなざし#143「槍ヶ岳へ。小槍、曾孫槍、孫槍、そして大槍へ」

筆とまなざし#143「槍ヶ岳へ。小槍、曾孫槍、孫槍、そして大槍へ」

翌朝も晴天に恵まれました。テントを撤収して殺生ヒュッテへ。沢水で火照った体を冷まし、カールに出ると大きく槍ヶ岳の頂上が姿を現しました。いわずもがな、頂上にいちばん近いのは槍ヶ岳山荘です。稜線上にあり大展望が広がります。けれどいまはお盆。槍ヶ岳山荘のテント場は急斜面の限られたスペースで、混雑するのは目に見えています。その点、殺生ヒュッテは広いカールに位置するのでのびのびとすごせるし、山荘までの急斜面を軽装で登ることもできます。というわけで、今回は殺生ヒュッテをベースにしたのでした。ちなみに、殺生ヒュッテは山岳画家・吉田博が敬愛した猟師であり山案内人だった小林喜作が建てたもの。いつもは素通りしてしまうので一度滞在してみたいと思っていたのでした。テントを設営するとすぐにクライミングギアをサブパックに詰め込んで槍ヶ岳へと向かいました。山荘の裏から覗くと、独特な佇まいの小槍が岩陰の向こうに聳え...

| Share the Mountain |

アプリで続きを読む

この記事の続きを読む