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パリ〜ブレスト〜パリ 最速の1200kmを夢見て 三船雅彦

パリ〜ブレスト〜パリ 最速の1200kmを夢見て 三船雅彦

(写真と文 小俣雄風太)時と共に、変わらないものなんて無い。ヨーロッパにいると、過去から連綿と続くものが多すぎて、歴史が今も変わらずそこにあるように思えてくる。だが、伝統と呼ばれるものは、常に時代に合わせ変容し、今日まで命脈を保ってきたものの別称に他ならない。万物は流転する、とはこの世界の西側ですでに紀元前から言われてきたことだ。1891年に初開催された自転車ロードレース「パリ〜ブレスト〜パリ」(PBP)は、2019年の今日まで続く伝統のイベントだ。その名の通り、フランスの首都パリからブルターニュ地方の西の果てブレストまで行き、再びパリへと戻ってくる、実に1200kmを走るという現実離れしたレースとして開始された。1903年に創始されたツール・ド・フランスが、フランス一周5000kmを走ると言ってもそれは一ヶ月をかけてのことで、わずか2日足らずで1200kmを走るPBPの特殊さは当時...

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