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小泉桃太郎さんの投稿

登山の日、秋晴れの富士山にチャレンジ。河口湖近くのホテルから朝の3時過ぎに富士山の御殿場口/御殿場ルート新五合目に車を走らせる。御殿場ルート駐車場に近づくにつれて辺りは真っ暗に。暗闇の道路をハイビームで照らすがこんな遅い時間に自分だけしかいなかったら心細いし、俺って変態?さすがに夜明けまで車で待機するかどうか考えながら運転してると左カーブの先に体格がどっしりとした毛並みの良いりっぱな鹿が道路脇に立っている。ハイビームにも動じないでこっちをじっと見ている。写真を撮ろうとしたがハイビーム中の鹿さんに悪いと思いすぐにその場から立ち去ることにし先を急ぐ。富士山に動物いるんだ。熊も生息してるとか。熊ビビりの自分だが富士山は別格だ。富士山愛が強すぎて熊も眼中にない。御殿場ルート駐車場に着くと深夜にもかかわらず既に多くの車が駐車中。登山の準備を済ませて出発する登山者の姿も。山好きって上には上がいるんですね。今日の日の出は5時41分。それまでのんびり準備することに。東の空が明るくなってきた。さあ、出発だ。前回の下見で登山口や途中までの登山道のイメージはできている。

お天気もよく日の出と同時に登山開始(標高1436m)。今回は山頂でなく途中の宝永山(標高2693m)を目指す。距離にして400mも登ると大石茶屋に着く。朝日で富士山が赤く染まる。初の赤富士だ。これってモルゲンロートだよね。うれしい。広角で写真を撮ろうとするが自分の陰が足長おじさんみたいになっている。どんなに隠れても少し写真に映る。あきらめて、一緒にハイチーズ。ここから1.5kmはのんびり歩けるトレッキングコース。朝日を浴びながらのんびり歩く。誰もいない富士山に登っていると何故か涙が溢れてきた。しあわせだ。(「あなたは登山しながら、感動で泣いたことありますか」「お山と語り合っていますか」) 天候といい、気候といい、日の出の美しさ、モルゲンロート、全てのシチュエーションがパーフェクトだ。富士山から大歓迎されてる感じ。この広大な富士山の裾野を独り占めできるなんて。赤く染まる日の出の富士山は優しく穏やかで心を平安にする。山頂まで行かなくてもよい。のんびり富士山と会話する。いつも遠くで眺めてるだけの富士山がもっともっと身近に感じられた瞬間だ。

順調に高度を上げて、第一目標の標高1920mの御殿場ルート次郎坊の分岐点にくると傾斜がきつくなってくる。休み休み進む。空を見上げると鷹?鳶?なのか近くに寄ってきた。空中で旋回する。チュッチュッと声を鳴らすと更に近くに飛んで旋回する。しばらく鳥と戯れる。なんか癒されますね。最近登山を初めてから登山で標高差700mを超えたことがないので今回はトレーニングを兼ねる。無我夢中で登っていたので気が付かなかったのだが、ふと後ろを振り返ると、標高2000mを超えた辺りから、さっきまでと何かが違う。えっ、高い。旧4合目(標高2314m)を通過。先ほどまでトレッキング気分でのんびり登山していたのだが、ここに来て「富士山舐めるなよ」と富士山の存在感を思い知らされた。やはり日本一の高さのほんの触りだが、標高2300mを超えると本当に怖いのだ。何も遮るものが無く、急斜面で転げ落ちそうで足がすくむのだ。予想していない事態だった。スーパー地形のアプリの断面図作成で俯角を調べると、次郎坊の分岐点までの俯角12.72度、そこから先の俯角は18.88度と6度以上も傾斜が強まった。これは下山は大変だと思った。

ここから後残り標高差379m、2.7kmを歩くと宝永山山頂に着く。あともう一息だ。このまま2時間登り続ければ宝永山山頂まで行ける体力はある。しかし富士山の下山がはっきり言って恐怖なのだ。これ以上の高見は次回にすることにして下山をすることに。ここまで標高差904mをマーク。自己新記録達成だ。撤退を繰り返し、登山に自信喪失していた自分にはまだやれると自信となった。達成感でいっぱいだ。しかし喜んでばかりいられない。恐怖の下山開始だ。直登の右回りの広めの山道は登りやすいが下山には地面が硬く滑りやすい。旧4合目の分岐を右にトラバースしながら下山開始する。このトラバースがまた怖い。道は細く登ってきた道よりは地面をつかめるがバランスをこわしたらこの急斜面は止まらないのだろうと足がすくみ、ゆっくり丁寧に歩く。景色がよいとか写真を撮る余裕はもうない。なんとか安全地帯までたどり着きたい思いで緊張する。富士山って高いんだ。怖いよーと心で叫ぶ。先ほどまでぴーかんだった天気が山頂から薄黒い雲が山頂をおおう。さっきの下山の判断は正しかったと思う一方で視界が悪くなる前に下山を急がねばと焦りだす。無事にトラバースが終わると、いわゆる砂走りで下山できる状態に。これなら大丈夫だと一安心。後は迫り来る雲との追いかけっこだ。

続々と他の登山者も下山を急ぐ。次郎坊の分岐点まできたらお得意のトレッキングコースだ。後はのんびり下山するだけだ。しかし脚の疲労が半端ない。前回サクサク歩いた山道だが休み休みながら屁っ放り腰になりながらの下山だ。富士山は下山が大変だとは聞いていたが実感だ。全体で7時間歩き続けてゴールの駐車場に到着。脚が腓返りに。痛い。持参した腓返り用の薬「芍薬甘草湯」を飲む。初めて試すがいい感じ、少し楽になった。今日は自分の限界にチャレンジしたが富士山にまたいろいろ教えてもらった気がする。そして御殿場口は三辻、四辻へのトラバースするトレッキングコースも次回は挑戦してみたい。シンプルなだけに、ダイナミックに、山の楽しさ、山の厳しさ、山の怖さを教えてくれた富士山、ありがとう、また会おう。山の神様に感謝。

https://youtu.be/k-KpdOU9SU8

youtube.com/@koizumimomotaro

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